
以前から若い方の「ひとり出版」の活動にとても興味をもち注目してきました。
この激しい変化の時代,出版不況にもかかわらずその活動はとても示唆にとみ刺激をうけます。
自分が信じる作家のうもれていた作品をを見つけ出し復刻したり、「書店での回転がわるい」と敬遠されがちな硬派だが良質な本を少数出版して意識の高い書店をさがし置いてもらう。自分で直販する。熱い想いのこもった、これはとおもう本をその存在を知らなかった人に届けようとする。
「自分と同じことに興味を持つだろう千人に向けて本を届けたい。」
「200冊だけ厳選して売る本屋があれば、そこに入る何度も読み返したくなる一冊を作ろう。」
「流通の変化は本の質的な変化をうむ。きっちり作った本は5年,10年と売れる。」
当然、経営は容易でないことは推測されますが、それをうわまわる高い志と行動力で少数の共鳴する読者との濃いつながりを工夫を重ねて求めています。
あらゆることの変化が急なこの時代の中で、わたしたちも経済の容赦ない力に流されてしまいがちななか、自分で考えぬき信じて行動を起こし他者との繋がりを本をとおして 編んでいく 若者がいることにとてもうれしくなります。
若い頃、ひとりで家具工房を始めて、どう世の中の、無垢の家具の良さを理解してくれる使い手と繋がればよいのか途方に暮れていましたが、がむしゃらな若さで個展の案内状をこれはと思うところや店にとびこみ頭を下げておいてもらい配りまくったのを思い出します。
そして当時まだ絶対的ともいえるような影響力をもっていた工芸雑誌やメディアは,はるかとおく自分には無縁でした。
いま,状況が違うとすればやはりウェブの存在だと思います。作り手とさがしている使い手の、かってなかったライン。
もうひとつは、暮らし方やデザイン、センスをメディアや知名人に教えてもらうのではなく、自分でさがす人たちの出現でしょうか。みなと同じことで安心を求めてきた日本人の、ようやく始まったわずかな変化。
ひとり出版の若者を応援したい気持ちです。