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担保

suisenn

 

 

 

若い友人夫婦が家具工房の移転や経営の相談にきたとき、自分が30年余り金融公庫から切れ目なく「借り入れ・返済」を繰り返して、古くなったバンの買い替え、中古機械の購入、材料の仕入れ、子供達の高校・大学進学などを薄氷を踏むようにかろうじて乗り切ってきた話をしました。

 

話をしていてひとつの情景を思い出しました。

 

ある年の年末、融資の申し込みで持参した自分の大赤字の確定申告のコピーを恥じながら手にして待っていたとき、衝立て一枚のとなりのブースで個人商店主らしいおじさんが年越し資金(なんだか古いですね)の相談をしているようで、漏れてくるやり取りから何となくかなり良くない経営状況らしく、「なんだ、オレだけじゃないじゃん。」と、自尊心と現実とにもみくちゃになっていた若い頃の私は妙に安堵したことがあります。

 

後から考えれば、一方で事業拡大の目的の人もいただろうけれど、個人事業主でも経営状態が安定している人や、借金の当てがある人は、あの場所にはいないはずでした。

 

いま振り返ると、借り入れに際して若い頃の私の「自分の工房から美しい家具を世に出したい」という情熱こそが、本当の担保だったように思います。

 

当時の担当者の方がどう思ったかはわかりませんが、、、。

 

 

 

at 11:51, 斉藤 衛, 工房生活の周辺

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